【融資審査の通過へ向けて】担当者が大絶賛するような事業計画書とは？

事業計画書とは、新しくビジネスをスタートさせるために、資金を金融機関から調達することを目的に作成させる書類のことを言います。

金融機関が融資の可否を決定するためだけの資料と考えられがちですが、せっかく作成するのですから、その事業を円滑に進めるための資料として活用したいものです。

ここでは、企業で事業計画書を策定することになった人や新規事業を立ち上げようと思っている人など、事業計画を策定したいけどどうしたらいいのかわからない人に、融資審査通過のためだけではなく、誰もがあなたの新規事業を応援してくれるようになる事業計画書の作成についてまとめてみました。

事業計画書とは？

事業計画書とは、新規事業を展開するにあたり、資金を金融機関から調達することを目的に作成させる書類を言います。

新規事業を推進するにあたり、その事業のコンセプトやマーケットの分析、収支計画や製品に対するアイデアなどを記し、金融機関がこの事業ならお金を貸しても問題ないだろうと判断してもらいます。

なぜ事業計画書が必要なのか

では、なぜお金を貸してもらうのに、わざわざ苦労して事業計画書を作成する必要があるのでしょうか。

お金を借りるため

金融機関は、お金を貸すのが商売であり、融資先からの返済が生業ですから、返済が滞ると、金融機関の業績が低下し、場合によっては金融機関も倒産してしまいます。

また、大きな組織であれば、担当者と責任者が異なることがほとんどですから、担当者は、責任者に融資してくれるよう説得しなければなりません。

融資する事業が、うまくいくのかを判断し、投資すべき対象であるかを確認するための書類として、事業計画書が必要になるのです。

担当者が責任者に説明しやすい事業計画書であればあるほど、融資を受けやすいと言えます。

あなたのため

事業を継続するため

単なる思い付きで事業を始めると、起業してすぐに仕事がなくなってしまいます。

なので、その事業が将来に渡って継続的に利益を生むように、将来にわたって事業を見通す必要があります。

あなたが思いついた事業を必要としている人がどれくらいいるのか、市場規模や継続的に利益をあげていけるかどうかの確認をして、事業が将来に渡って長期的に継続できるかどうかを確認しましょう。

やる気を維持するため

事業計画書とは、何よりあなたのやる気を維持するために必要です。

例えば、あなたが事業を進めて行く中で、計画を持たないで事業を進めて行くうちに目標を見失ってしまって、あなたがやる気がなくしてしまう可能性があります。

あなたがやる気を失わないようにするためには、事業計画書を随時確認して、常に目標を再確認する必要があります。

事業計画書の書き方

さて、では事業計画書はどうやって書けばいいのでしょうか。

事業計画書に織り込む項目

事業計画書に盛り込むべき内容は様々ですが、以下の内容を考えながら作成するといいでしょう。

新規ビジネスの名称

今後、そのビジネスを説明していくために必要になります。簡単で事業内容が想像しやすい名称を考えます。

そのビジネスの内容

ターゲットや商品を明確にします。

そのビジネスの市場環境

市場規模や成長性、競合他社などの評価を行います。

そのビジネス実施の優位性

先行する同業他社に対する自分が行おうとしているビジネスの優位性を分析します。

そのビジネスを実現するための経営資源

ビジネス実施に必要な、人員や物資、毎日の運転資金などをまとめます。

そのビジネスの実現性

経営資源を用意し維持するための資金計画をまとめ、そのビジネスが本当に実現可能かを分析します。

そのビジネスの収益性

そのビジネスを実施するための収支予測と資金調達計画をまとめます。

事業計画書作成のプロセス

まずは大雑把に予測を立てる

このように書くと、相当レベルの高いものを書かなければならない印象を持つかもしれません。

新規事業の市場規模や収益性なんか、実際に始めてみないとわからないことがほとんどでしょう。

すでに似たようなビジネスを始めている人がいれば、その人の状況を参考に単価や市場規模を確認し、収益性を予想することはできます。

しかし、全く新しい事業を始める場合は、特に単価や収益性などはわかりようがなく、実際に初めてみないとわからないというのが本音でしょう。

計画全体に生合成があれば、一つ一つの項目は予測値で全く構いません。

あまり細かく決めていくと、絵に描いた餅になりかねず、計画を進めていく間に何か問題が起きた時に、修正ができなくなることすらあります。

細くまとめようとして、全体を見られないことが一番問題なので、計画はあくまで計画、各項目の内容はかなりアバウトで構いません。

予測に基づき緻密な計画を立てる

ある程度の予測ができたら、その予測に基づき緻密な計画を立てます。

新規事業の場合は商品単価はなかなか予測がつきませんが、その事業を展開するために必要な資源は、既存のものばかりですから、簡単に予測がつくので、計画は立てやすいはずです。

調達計画をきちんとたれば、予測で立て商品単価に問題がないかどうか判明するはずです。

もし、商品単価に問題があると感じたら、どんどん修正しましょう。

補助金・助成金によっては費用を細かく分類する必要あり

補助金や助成金の申請に使用する事業計画書の場合、補助対象となる経費が細かく規定されていることがありますから、その場合は、規定に合わせて経費を分類する必要があります。

申請時に費用としていない経費は、補助金を使用できないことになりますから気をつけましょう。

事業の実現性の高さ

その事業を開始する時点で、すでに大口契約があるとか多くの引き合いがある、もしくは市場リサーチやテストが十分にされていて、事業を維持することができるかどうかを明らかにします。

収益計画は正確、かつ保守的に計算されている

収益計画に大きな計算間違いがあると、以降、金融機関からの信頼はがた落ちになるので、計算間違いは絶対にあってはならないことです。

また、市場環境により大きく変化する経費などは、かなり保守的な数字で見込みを立てて、不測の事態が発生しても大丈夫なように、余力を残しておきましょう。

経費の使途が明確性

個人経営者や中小企業でありがちの、経費の使途が私用目的に使われているというケースは避けるルため、経費の使用目的を事細かに明確にする。

組織全体のキャッシュフローについて注意

お金を借りる場合で、あなたが展開しているその他事業が赤字でないことが望ましいです。

どんなに素晴らしい事業計画書でも、融資したお金がその他の事業の赤字補填に使われる可能性があることを疑われてしまいます。

独りよがりにならないように

事業計画書という性格を第一に考えれば、とにかく、融資担当者が責任者に説明しやすい、他人が読んでわかりやすい計画を作りましょう。

あなたの独りよがりの書類にならないよう、できれば一人で作成するのではなく、自分以外の人にレビューを頼んだり、全く関係ない人にプレゼンをしてみるといいです。

「何を、誰に、どのように販売するのか」が常に考えながら、計画を立てて行くことが重要です。

特に「誰に」が明確に定めっていないで事業を始めるケースは特に多く、新規事業を立ち上げたけど、さっぱり売れないというのはこのケースです。

しっかりと、ターゲットを定めた上で事業計画を策定しましょう。

まとめ

起業する時に一番重要な、事業計画書の基本についてまとめました。

事業計画は、金融機関からお金を借りるためだけに作成するのではなく、あなたが始めようと思っている事業を整理するために重要な書類であると考えて作成しましょう。

とにかく、何事も始めなければ何も起きませんから、頭の中で考えているだけでなく、行動を起こして身ましょう！

ここまで読んでいただいて、自分も事業計画をまとめて見たいと思った方は、事業計画の雛形を取り寄せてみるといいでしょう。

日本政府金融公庫には、新規事業を開始するにあたって参考に書類がたくさんあり、事業計画書の雛形もありword形式の雛形がダウンロードできますから、気軽に事業計画を作成してみましょう。