職場ストレスチェックってなんだ?正しく理解し活用してあなたもスッキリしよう!

平成26年度の安全衛生法の改定時に、職場ストレスチェックの実施が義務化されました。

職場ストレスチェクは、労働者の心理的な負担の程度を把握するため、医師、保健師等による検査(ストレスチェック)の実施を事業者に義務付けたものです。

職場ストレスチェックは本当に効果があるのかどうか、社員のストレスを削減するかどうかその効果に疑問を感じている人も多くいます。

職場ストレスチェックの内容とその効果について知っておくことは、健全な職場の育成に効果を及ぼすことでしょう。

特に職場のリーダーの皆さんへ、部下や職場のメンタルヘルスケアに重要な職場ストレスチェックの基本的な内容についてご案内します。

 

職場ストレスチェックの詳細

職場のおけるメンタルヘルスケアは、以下の3つに分けられています。

  • 労働者自身のストレスへの気付き、及び対処の支援並びに職場環境の改善を通じてメンタルヘルス不調となることを未然に防止する「一次予防」。
  • メンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な対応を行う「二次予防」。
  • メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰を支援する「三次予防」。

職場のストレスチェック制度は、これらの取り組みのうち、特にメンタルヘルス不調の未然防止の段階である一次予防を強化するため、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行ないます。

そして、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個々の労働者のストレスを低減させます。

それと共に検査結果を集団ごとに集計・分析し、職場におけるストレス要因を評価し、職場環境の改善につなげることで、ストレスの要因そのものを低減するよう努めることを会社に求める事を目的としているのです。

ストレスの高い者を早期に発見し、医師による面接指導につなげることで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することも目的としています。

会社は、メンタルヘルス指針に基づき、労働者のメンタルヘルスケアの総合的な取組の中にストレスチェック制度を位置付け、メンタルヘルスケアに関する取組方針の決定、計画の作成、計画に基づく取組の実施、取組結果の評価及び評価結果に基づく改善の一連の取組を継続的かつ計画的に進めることが求められています。

また、事業者は、ストレスチェック制度が、メンタルヘルス不調の未然防止だけでなく、従業員のストレス状況の改善及び働きやすい職場の実現を通じて生産性の向上にもつながるものであることに留意し、事業経営の一環として、積極的に本制度の活用を進めていくことが望ましいともされています。

従業員側にチェック受診は義務付けられていない

ストレスチェックは、従業員側に受検を義務付けられていません。

これは、メンタルヘルスで不調なものに対して矯正することは、そのもののメンタルヘルスをさらに悪化させる原因になることが考えられるための措置です。

もし、メンタルヘルスチェックを頑なに拒否する従業員がいた場合は、受検を無理強いすることなく、医師による面接などに誘導することが求められます。

チェック内容

合計27問の仕事や職場、周囲の環境や自分自身のストレスへの認識度についてチェックする内容になっています。

  • 仕事に関するもの:17問
  • 直近1ヶ月の生活に関するもの:29問
  • 周囲の支援に関するもの:9問
  • 自信の満足度に関するもの:2問

チェックの結果を受けて、強いストレスを感じていると医師又は保健師は、本人に内容を通知します。

そして、本人の希望がある場合は、医師又は保健師による面接を実施し、就業時間の短縮や職場の転換などの対策を行うことになります。

 

職場のリーダーとしてのストレスチェックへの対応

職場ストレスチェックの実施についてリーダーの役割は、どんなことがあるのでしょうか。

面接の結果が会社にバレてしまう心配の払拭

強いストレスを感じているという結果が出て、本人が希望しないにも関わらず会社が異動などの対策を講じてしまうのではないかという心配があります。

ストレスチェクテストの結果は、医師又は保健師が本人に直接通知し、その結果本人が希望する場合に面接指導を受領し、その結果、会社の措置が必要だと判断された時に初めて会社に結果が通知されます。

ストレスチェックの結果をした時点で、ストレス度合いが会社に通知されることはありませんので、安心してストレスチェックを受けてください。

簡単チェックでも意義があると信じる

ストレスチェックの内容は、調査というよりはアンケートに近い内容で、こんなんで科学的な判断ができるかどうか心配になるかもしれません。

実はこの内容は、気軽に応えて潜在的に強いストレスを感じている人を探すことを目的としているので、簡単に答えられる内容になっています。

ストレスチェックで一番重要視されているのは、医師や保健師の面接指導です。

専門的な教育を受けた専門家による直接の面接が、ストレス度合いの判定に一番重要だと考えられています。

ストレスチェックだけで何かを判断することはありませんので、安心して正直にチェックの内容に答えるよう周囲に認識させることが重要です。

 

ストレスチェックの職場での活用

セルフケアを促す

ストレスチェックの結果を、自分で判断することが可能です。

ストレスチェック簡易調査票は、調査結果を合計点でストレス度をチェックします。

合計点が高いほどストレスが高いと判断する場合は、質問内容により「そうだ」、「ちがう」、「ほとんどなかった」、「ほとんどいつもあった」の得点が逆転するので、得点の仕方をきちんと把握する必要があります。

例えば、ストレスを感じているかどうかのチェックは「そうだ」や「ほトンドイツもあった」が4点となり、安定していることに関する質問は「ちがう」や「ほとんどなかった」が4点となるなどです。

「仕事に関するもの」に 3 つ以上要チェックがついた場合や、「仕事の負担度」、「仕事のコントロール度」と「周囲の支援」の 3 つにで要チェックな状態になっている場合は、ストレス問題が高い確率で疑わ れます。

セルフケアの結果は、医師に頼ることなく、自分で仕事の量を減らすなどの対策を講じることも可能です。

会社を頼ることなく、自分の健康は自分で守るという考え方も重要です。

もちろん、そんなことができればストレスで悩みはしないという考え方もありますが、自分に身を守るのは自分であるという考え方を常に持つことこそ、メンタルヘルスで重要な考え方になります。

専門家や第三者のアドバイス

自分の考え方も重要ですが、高いストレスを感じている人は、専門家などの第三者によるアドバイスはとても重要になります。

高いストレスを感じやすい人は、真面目な、仕事を抱え込んでしまう人が多い傾向にあります。

こういった人に対し、就業時間を短縮するなど、仕事を減らす対策を取るとかえってストレスを抱えることになりますので、専門家から対策の必要性を伝えることが重要な対策となります。

 

会社の立場

会社は、ストレスチェックの結果の対応は、あくまでも専門家の意見を聞くというスタンスを維持しましょう。

高いストレスを感じている人は、簡単に疑心暗鬼な状態に陥りますから、会社が本人のためにと思って取る対策も、十分な説明がないと、かえって本人が頑なに対策の受け入れを拒否する可能性があります。

会社は、専門家のアドバイスや本人の希望を受けれるということを重視するようにします。

防止策の実施

個人個人のストレスチェック結果によらず、できる限り未然にストレスが高まる職場を改善していくことが求められます。

長時間労働にならないような労働者の配置はもとより、業務量の調整や業務効率化の追及などにより、長時間労働を削減するなどの配慮が求められます。

組織のストレスチェック

職場のストレスチェックは、何も人に対するものばかりではありません。

係、課、部などの組織単位でのストレスチェックを実施し、ストレスが発生しやすい職場であるかどうかのチェックを実施して、ストレス発生の要因を認識し、できる限り要因を取り除くなどの対策が求められます。

個人情報の保護について

ストレスチェックが記名式で行われた場合は、その結果は、個人情報保護法の元に厳重に管理されなければなりません。

特にストレス度が高く産業医との相談の結果、職場での対策が必要になった社員のストレスチェック表については、特に厳重な管理が必要になります。

50人以下の事業所については実施義務はないが

法令では、人数が50人以下の事業所については、ストレスチェックの実施義務はありません。

ここでいう50人とは、アルバイトやパートなどの常時勤務していないものも人数にカウントされます。

しかし、これは実施と実施の報告義務がないだけであり、法令に基づいてストレスチェックを実施することが望ましいとされています。

したがって、ストレスチェックの簡易質問票を配布しストレス度を従業員にチェックさせ、チェックの内容をセルフチェックでチェックさせるなどの対応を最低限行うとい良いでしょう。

 

まとめ

平成26年度に実施が義務化された職場ストレスチェックについてまとめました。

一見して、チェックリストの内容はとても簡単で、本当に効果があるのか疑問になりますが、かなりよく考えられています。

義務化されているから実施するのではなく、部下の健康を守ることは、効率よく仕事をするためにとても重要なことなので、ぜひ職場ストレスチェックを実施し、部下の管理に役立ててください。

作成者: かのっち

大手企業の子会社で長年にわたり総務部員を務めてきた「何でも屋」です。事業の立ち上げからセクハラ・パワハラ対応、研修、人事考課、採用、パソコンからの情報漏洩処理・・・何でもやってきました。 今は過去の経験を生かし、個人や法人が向上するためのお手伝いをしています。 私の記事で、一人でも多くの人の仕事やプライベートが充実し、人生が向上すれば本望です。