パワハラの相談はどこにすべき?「役所」「人事部」などメリット・デメリットをご紹介
相変わらずパワハラが世の中に幅を利かせています。
学校、企業ばかりではなく、最近はスポーツチームのパワハラもマスコミを賑わすようになりました。
パワハラは、セクハラのようにやってはいけないことが法律で規定されていないところが厄介で、一度パワハラの対象となると、なかなか問題が改善されないのが実情です。
そんなパワハラを受けた場合、どこに相談するのが適切なのかをまとめました。
パワハラを受けている方は、ぜひ一読して、冷静に効果的な対処をしていただければと思います。
Contents
パワハラとは
そもそもパワハラとは、どんな問題なのでしょうか。
職場におけるパワハラが問題であるという根拠は、民法709条にある職場環境調整義務によります。
会社がこの規定に違反した場合、会社はきちんとした対処をすべきであるという、これもまた民法の規定に基づいた対応が義務付けられています。
しかし、これあくまでも、使用者は職場環境をよくしなければいけないという規定であって、パワハラ自体を禁止したものではありません。
パワハラには、仕事上の意見の食い違いから人の尊厳を傷つけるような言動も該当するように思われていますが、これは必ずしも職場環境調整義務に該当している訳ではなく、パワハラと思われる行為が全ていけないこととは言えないのです。
パワハラを受けていると感じたらどこに相談する?
そんな、なんとも曖昧な定義のパワハラですが、実際に自分がパワハラを受けていると思ったら、どこに相談するのがいいのでしょうか。
知人に相談する
まずは、知人に相談するのがベストでしょう。
メリット
自分が受けているのが本当にパワハラなのかどうか、第三者の目線で冷静に判断してもらえます。
社内の当然だと思っていたしきたりが、外部の人間から見ると、とても非常識なものであるということはよくあります。
そういったことを判断してもらうためにも、社外の知人に相談することは有益です。
相談だけなら費用も発生しませんし。
ただ、相談している時の飲食代くらいは、あなたが負担してくださいね。
そうすれば、相手にあなたの本気度を理解してもらうことができるはずです。
最初に「今日は相談に乗ってもらえるから自分のおごり!」と宣言するといいでしょう。
デメリット
社外の人間だと、もう一方の当事者のことがわからないので、あなたの話だけで半ダンスせざるを得なくなり、あなたに都合の良い判断になりがちです。
公平に判断すると、パワハラとは思えない内容も、あなたの必死さだけが目に入れば、どうしてもあなたよりの判断になってしまいます。
知人への相談は、どちらかというと、自分を勇気付けてもらうためにするのがいいのかもしれません。
同僚に相談する
同僚にパワハラを相談するのも、よくあるケースだと思います。
しかし、同僚への相談は、内容を注意しないと逆効果になる可能性があります。
メリット
同僚に相談するのは、社内の人言関係とかわかっているので、比較的簡単い的確な結論が得やすいというメリットがあります。
もしかしたら、相手も同じようにパワハラに悩んでいる可能性もあり、そうすれば心強い戦友になるはずです。
デメリット
何でもかんでもあなたの考えを喋ってしまうと、相手に大きな負担を与えてしまいます。
会社や上司の悪口を聞くことは、何も関係ない同僚にはかなりの負担になるものです。
そして、その負担に耐えかねて、人事部などに情報を漏らしてしまうことも大いに考えられます。
好意で人事部に話を持っていくケースもありますが、あなたが意図していないのに会社側の窓口である人事部にパワハラの話を持っていくことは、話があらぬ方向に進んでしまいます。
会社の人事部に相談する
人事部への相談は、いよいよ会社と対決する覚悟を決めた時にしましょう。
人事部は、社員側でななく会社側であるということは決してお忘れなく。
例え人事部に同期とか信頼すべき同僚がいたとしても、人事部に相談することは最終手段であることを忘れないようにしましょう。
メリット
パワハラ窓口を正式に設置している会社であれば、相談があればきちんと対応せざるを得ないので、兎にも角にも自体に改善が期待できます。
デメリット
人事部は、会社側、経営者側の組織です。
パワハラ対応を含めて、基本的に会社にメリットになるかどうかで全てを判断します。
あなたが望まない形でパワハラの幕引きをする可能性が高いです。
役所に相談する
労働基準監督署とかハローワークに相談するという考え方もあると思います。
労働基準監督署は、パワハラなどの相談に応じる「総合労働相談コーナー」がありますので、パワハラ問題なども気軽に相談に応じてくれるはずです。
メリット
相談者が望まない限り、相談事項が会社に漏れることもありませんから、安心して相談することができます。
今後の具体的な対処方法を教えてくれますから、どうしたらいいのかわからない人にお勧めです。
デメリット
あくまでも相談に乗って助言をしてくれるだけで、具体的な行動は自分でしなければなりません。
また、役所ですから、平日昼間でないと相談できない点もデメリットです。
パワハラを受けて悩んでいる人は、休暇を取るだけでまたパワハラがひどくなるのではないかとるわけない状態の人が多いと思いますので、平日昼間にしか相談できない役所は、具体的な対処をしてくれないことと合わせて、あまり頼りにならないかもしれません。
弁護士への相談
もしあなたが本当にパワハラを受けていると感じていて、どうしてもなんとかしたいのであれば、一度弁護士に相談するのがベストです。
メリット
解雇や退職勧奨などの具体的なハラスメントを受けていない場合でも、弁護士に相談すれば、具体的な対処方法を教えてくれるはずです。
パワハラを受けている場合、記録を取るとか日記をつけろとか言われていますが、自分一人だけで対処するには、それだけでセクハラを受けているのと同じくらいのストレスを感じてしまいます。
誰かが影で応援していれば、どんなストレスにも立ち向かうことができますから、弁護士の具体的な応援が、パワハラには一番力になるはずです。
デメリット
弁護士への相談での最大のデメリットは、やはりお金がかかることでしょう。
無料相談会みたいなものもありますが、最初の相談だけで、いわば広告のようなものです。
パワハラかどうか、争って勝てるかどうかの判断はしてくれ流のは、弁護士として仕事になるかどうかの判断です。
もし、弁護士の無料相談会で相談した結果、争ってもどうにもなりそうもならないのであれば、その後の相談は無料では受け付けてくれません。
まとめ
パワハラの相談はどこにすべきかについてまとめてみました。
もし、あなたがパワハラで相当に悩んでいるのであれば、弁護士の無料相談などで相談してみるのがいいでしょう。
もちろんそのあとの有料相談も視野に入れながらです。
ただ単に悩みを聞いてほしいだけなのなら、知人に話を聞いてもらってガス抜きをしてもらうのがいいでしょう。
ガス抜きをしてもらえば、今まで自分が何に悩んでいたのか、暗い会長になるかもしれません。
人事部への相談は、あまり頼りにならず、あなたの望まない方向にことが大きくなりますから、避けたほうがいいでしょう。