仕事ができない男・・・。その印象から抜け出すために必要な思考とは?

仕事ができない人の特徴は、大きくざっくりと分けると2つに別れます。

まず1つ目は、自分自身「仕事ができない」と思い込んで、一層仕事ができなくなってしまう「オドオド君」です。

2つ目は、自意識が高く、自分の評価と周囲の評価がまったく異なる「自意識過剰君」です。

それでは今回は、「オドオド君」や「自意識過剰君」の特徴と、その印象から抜け出し、「仕事ができる男」になるために必要な思考をご紹介しましょう。

1.「オドオド君」の特徴

「オドオド君」の特徴 その1.どうして仕事が遅いの?

(1)自信がない分必要以上に慎重

自分に自信がないので、とにかく完璧にミスがないように、失敗しないようにと、完璧に仕事をしようとします。

でも、その完璧な方向性が間違っているのです。

完璧主義でも、仕事の質が高くなっていく完璧主義ならいいのですが、誰も求めていないところまでやってしまう妙な拘りとでもいうような完璧性です。

資料が見やすかったり、グラフや表が美しかったり、良い点もあるのですが、そこまでしなくても良いので、「内容を濃いものにして欲しい」と思われてしまいます。

(2)自信がないのでとことん調べる

わからないところを徹底的に調べるのは良いのですが、「今それ必要?」ということもあります。

例えば、側に専門分野の人がいて、一言聞けばわかることなのに、自分で調べて、しかも知識が不十分なので、的外れだったりすることもあります。

情報収集が下手なのです。

「オドオド君」の特徴 その2.何が言いたいのかを伝えられない?

(1)報告や発表を「起・結・承・転」で話せず、結論が最後になる!

オドオド・ビクビクしているので、その自信のなさから、はっきりストレートに言えずに、きちんと起承転結で話をしてしまいます。

言い訳や理由が多すぎて、聞いている内に初めの方に伝えたことを忘れられたりすることもあるので、何を伝えたいのか、論点がわからなくなってしまうのです。

だから、結論から話しましょう。

その理由や展開の説明に時間がかかる時は、報告書を用意しておいて、それを読んでもらいましょう。

上司や先輩は、あなたの指導係ではあっても、自分の仕事も抱えているのですから、忙しいということを理解して、上司や先輩の時間を有効に頂くために、報告の仕方に工夫を凝らしましょう

(2)自分のことでイッパイイッパイで相手の話を聞く余裕がない?

オドオド君は、自分の仕事を報告するのに一生懸命で、上司や先輩の質問や意見を聞く余裕がないほどテンパってしまっていることもあります。

上司や先輩の指示や意見を聞くことで、疑問があれば質問をして教えてもらう事で、合理的な仕事の仕方がわかります。

意味がわからなくても指示や意見をそのまま実践してみましょう。

やっている内に意味がわかるようになることもあります。

オドオド君は、仕事ができないと思い込んでいるのなら、仕事の仕方がどこか合理的ではないのです。

合理的な方法を学ぶには、仕事のできる人の真似をするのが一番です。

未熟なときは、その手間の意味がわからなくても、仕事ができるようになると、その一手間が時短のコツだったりします。

自分で全て解決しようとするから、自信がなくてオドオドしてしまうのです。

自信がないなら、誰かの真似をしましょう。

アイデアの真似はNGですが、仕事の仕方の真似をしても誰も怒りませんよ。

上司や先輩の言った通りにしていた方が気持ちも楽ですよ。

「オドオド君」の特徴 その3.優先順位がわからない?

(1)スケジュール管理ができない

オドオド君は、意見をはっきり言えないので、次から次へと複数の人の指示を受けてしまいます。

指示者は、直しや自分のチェックの時間も含めて早めの納期で指示します。

しかも、自分でやった方が早いこともあれば、自分がする時間がなくて頼んでいる場合もあります。

オドオド君は、スケジュール管理が上手にできないので、指示を受けた仕事にかかる時間を把握しないまま指示者から指示された仕事をしていきます。

受けた仕事は、ちゃんと整理して、まず書き出しましょう

納期が早い順から優先して行います。

自分の仕事のスピードを把握する事も重要です。

書き出した仕事の完了時間と、スケジュール通りにできたか、どのくらい遅れたか、どのくらい早まったかも忘れずに記録しておきましょう。

自分の得意不得意もわかりますし、自分の仕事の時間も把握できます。

これをしばらくやっていくと、そのうち、納期が重なって両方できない事もわかるようになります。

そのようなときは

「○○の仕事を△△さんから受けているので手がいっぱいなのですが、納期をずらすことはできませんか?」

と言ってみましょう。

急ぐ場合は、指示者同士で話し合って、どっちを優先するかを決めてくれます。

(2)指示された納期が守れない

指示された納期が守れないのは、致命的です。

報連相は相手のためだけでなく、自分のためでもあるのです。

スケジュール管理の能力が未熟で、できると思っていても、できない場合もあります。

その場合は、「怒られるから何とかせねば」と頑張るのではなく、指示者に

「今、○○をやっているのですが、思った以上に手間取って、予定の日にちよりも時間がかかりそうですが、大丈夫でしょうか?」

と前もって報告しましょう。

怒られるからと、できないのに自分だけで何とかしようとするのは、幼児のする事と同じです。

指示者は、あなたの仕事のレベルを想像して納期を決めているはずです。

それが必要以上にかかるということは、間違った作業をしているかもしれないし、ソフトの操作方法を理解できていないのかもしれません。

ですから、優しい指示者なら、そこを追求してくるでしょう。

それは叱られているのではなく、見てもらているのです。

前もってできそうにないときは報告しましょう。

時間的に余裕があるなら、指導して貰えます。

一方、直前になって報告すると、時間的余裕がないので、仕事を取り上げられてしまいます。

完成させれば、評価して貰えますが、取り上げられてしまったら、できることも評価はゼロになってしまいます。

 

2.「オドオド君」が「仕事のできる男」になるために必要な思考は?

自信を持って仕事をすれば、思考もポジティブになりやすいのですが、何といってもオドオド君ですから、急に「自信を持て!」と言っても難しいでしょう。

オドオド君に自信を持たせるには、自分は思った以上に仕事ができることを意識させるしかないのです。

その方法をご紹介します。

(1)わからないことは周囲に聞くべし!

オドオド君の場合は、わからないことは周囲に聞く勇気を持ちましょう。

人はコミュニケーションによって人脈を育て、知識を増やしていくのです。

「わからないことを調べる」のは基本ですが、コミュニケーションでわかることは聞いて、マル秘情報部分の情報検索だけ自分でやるのが仕事ができる人の仕事術です。

ただし、自分独自の「井の中の蛙」情報に陥らないように、自分の情報収集した結果や検証を上司や先輩に見てもらうと良いでしょう。

自分よりも仕事のできる人の意見は、例え同期でも素直に聞いて、その仕事術をどんどん吸収していきましょう。

(2)自分で悩んでいても解決できない事を自覚すべし!

仕事ができない内は、自分で悩んでいても解決できない事を自覚することも大切です。

仕事ができないのではなく、わからないまま何も聞かないからできないのです。

オドオド君でも、ちゃんと説明や指示を理解すれば、どのような能力が隠れているかわからないのです。

初めから100%わかる人はいないので、わからないことは指示者に質問して、早く理解して、早く先に進みましょう。

(3)報連相を徹底すべし!(周囲のヘルプもあった方がなお良し)

オドオド君に必要なのは、報連相の徹底です。

報連相を徹底していれば、間違った方向へ進みかけたときに、先輩や上司が軌道修正してくれます。

オドオド君ががんばって、そこそこ仕事ができるようになったら、思いっきり誉めてあげましょう。

オドオド君は、ちょっと厄介な内弁慶のようなものです。

オドオド君は誉めれば伸びるのです。

意外にも仕事ができる人間に大変身するかもしれません。

 

3.「自信過剰君」の特徴

「自意識過剰君」の特徴 その1.独自の見解を主張してしまう

(1)指示者が指示したとおりにできない

自意識過剰君は、自分の能力アピールが激しいので、指示者が指示したとおりにやらずに、やらなくて良いことまでやってしまいます。

良かれと思っていて、悪気がないので質が悪いのです。

自分が未熟である自覚が全くないので、注意されても、どこまでもポジティブ思考に走ります。

最悪なケースでは、「僕の能力についてこれない」とか、「ここでは僕の能力が活かせない」と思い込んで、会社を辞めてしまう人もいます。

このケースの場合、難関国立大出身者が多く、受験の勝ち組で、学生時代のプライドをそのまま社会に持ち込んでいます。

学生時代のように自分の能力を支持して貰えないのは、周囲の能力が低いからだと思い込んでいるのが厄介です。

どこまでもポジティブ思考ですが、思い込みが激しく、自分を省みる事をしないので成長しません。

(2)ミスを認めない

自信過剰君は、指示されたとおりにできていないことを、ミスだとは認めず、あろう事か、「指示の仕方が悪い」と指示者の責任にしたり、他の正当化するようなできない理由を色々と主張し始めます。

「申し訳ありません。以後気をつけます」とか、「申し訳ありません。やり直します」と言えば、挽回のチャンスがあるのに、自ら自己評価を下げているようなものです。

社会では、言い訳をする人間は、誰からも相手にされなくなります。

そんな「仕事ができない」のに面倒な人というレッテルが貼られて、一緒に仕事をしたくないと誰もが思ってしまうのです。

「自信過剰君」の特徴 その2.やる気やモチベーションが低い

(1)やるべき仕事を自分で選べる人材になるのはずっと先?

「こんな仕事をするために入社したわけじゃない」と、心の中で既に自分がやるべき仕事が決まっていて、それ以外には興味を示しません。

指示された雑用を一切しようとせずに、誰かに押しつけたり逃げたりしてしまいます。

自意識過剰君が「こんな仕事」と思っている仕事は、自意識過剰君がやりたいと思っている仕事の基礎です。

仕事の基礎をしっかり身につけておかないと、他人の視点に気づかず、自分の視点からしか物を見ることができないまま成長してしまいます。

基礎が身についていなくても恥ずかしくないのは、入社2年目までです。

それ以上は、基礎が身についていないと、一生出世できません。

やるべき仕事を選べるようになるのは、一人前の選ばれた人だけです。

(2)仕事は人に理解させる必要がある?

学校の勉強は自分が理解できれば良いのですが、仕事の成果は、他人に理解させないといけません。

どんなプロジェクトも、スポンサーが理解しないと進められないからです。

そして、どんな仕事も誰かの役に立つためにするのです。

そのためには、説明力が必要です。

訴える力には、わかりやすい企画書に載せる言葉(コピー)も必要です。

雑用や裏方を嫌がって逃げて要領よく目立つ仕事ばかり手伝ってきた人は、相手にわかりやすい資料を作ることができません。

相手の心を揺さぶる何かが欠けているのです。

雑用をたくさんやっていると、たくさんの資料を目にして読むこともできます。

成功したプロジェクトやお蔵入りになったプロジェクト、さまざまなプロジェクトを目にして仕分けしたりします。

上司の作成した資料をコピーしたりするときも、興味を持ってその仕事をしている人と、嫌々ダラダラやっている人とは、得るものが違います。

雑用から多くのことを学んだ人は、さまざまなお手本が脳裏に焼き付いています。

そのため、基礎だけでなく、先人の知恵を借りて応用力までいち早く身につけることもできます。

でも、自信過剰君のようにモチベーションが低く、嫌々ながら仕事をしていると、何も学ぶことができないのです。

 

4.「自信過剰君」が「仕事ができる男」になるために必要な思考

(1)「自信過剰君」は早い内に挫折を知って乗り越える必要あり!

自信過剰な人には、挫折の経験が無い人が多いのです。

心も加齢と共に老化して弱くなっていきます。

挫折をすると、崖の上から突き落とされたような気持ちになって、深く傷つきます。

その傷から立ち直って、再び崖の上へと這い上がっていくには、強大な精神力と努力と根性が必要です。

負けん気と頂上に立ちたいという、高いモチベーションも必要です。

傷だらけの状態から、この高いモチベーションを持つまでに立ち直るには、心も若く体力がないとできません。

そうでないと、心が折れてしまって、一生立ち直る力が出なくなります。

だから、自信過剰君は、その根拠のない自信でたくさんの挑戦をして、自信過剰な鼻をへし折られ、早めに挫折を味わった方が良いのです。

その方が、「自分は仕事ができる!」という思い違いの思考の改善がスームーズになされます。

挫折をして立ち直るとき、必ず「今のままではダメだ」と思います。

その強い思いが、自信過剰君の思考を変えてくれるのです。

(2)「自信過剰君」は挫折の後にその能力を活かすことができる?

自信過剰君に必要な思考とはどんなものでしょう?

それは、以下の5つの気持ちです。

  • 他人の意見を受け入れる素直さ
  • 負けを認める謙虚な気持ち
  • 「これ以上負けてたまるか!」という根性
  • 将来の勝ち誇った自分を見たいと思う気持ち
  • 強い興味や好奇心

でも、自信過剰君は、このような気持ちが心に浮かぶ機会さえないから、哀れな自信過剰君になっちゃっているのです。

だから、高い崖からたたき落とされたような決定的な負けを味わい、自信過剰君の高い高いプライドが一度へし折られるような挫折感を早く味わう必要があるのです。

まだ立ち直れる若さがある間に早めに挫折して、時間をかけて立ち直り、心が再生された後でないと、上の5つの気持ちは生まれることはありません。

自信過剰君が決定的な挫折を味わい自信が消えて生まれ変わったとき、謙虚さと素直な気持ちが芽生えます。

その気持ちから、目上の人を敬う人間に生まれ変わるのです。

謙虚さと素直な気持ちは、「仕事ができる男」になるための学習に必要な武器です。

そして生来の負けん気が、這い上がる事を意識させてくれます。

上の5つの気持ちが心に生まれたなら、もともと賢い人間だったのですから、周囲の人の全ての能力を吸収するほどの好奇心を持つようになるのです。

そして、初めて学生時に学んだ知識が、社会に出て見聞きした今までただの「点」でしか無かった切れ切れの情報を、その「点と点をつないで線にする」助けとなり、新たなアイデアとなる大きな情報を得ることができるのです。

謙虚になれば、好奇心から、必要な情報を得るために、どんな雑用も嫌がらずに、高いモチベーションを持ってするようになります。

こうして、中身の濃い魅力的な人材になっていきましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?

最近「『仕事ができない男』になりつつあるかも?」と思っているそこのあなた!

あなたは「オドオド君」タイプですか?

「自意識過剰君」タイプですか?

名前だけ聞くと、両極端で「どちらにも当てはまらない!」と断言する人の方が多いかもしれませんが、仕事が上手くいかない人は、だいたいどちらかの特徴的な要素を持った状況にいるものです。

客観的に自分を査定してみましょう。

わからない人は、周囲の人に聞いてみるのがお勧めです。

もし、「オドオド君」なら、既に自分ができないことを具体的にわかっている謙虚すぎる人ですから、できないことを一つずつできるようになっていけば良いのです。

どんな成功者も、初めは怖い思いをし、失敗を繰り返してきたのです。

自信なく不安でオドオドしていても、諦めずにやり続ければ、いつか成功します。

先輩や上司の指示をとにかく素直にこなしていき、自分より仕事のできる人の技を次々と盗むつもりで学んでいきましょう。

そして、成長の秘訣は同じ失敗を2度しない事です。

一方、もしあなたが、「自意識過剰君」だったら、まずその高すぎるプライドを捨てましょう。

自分が思っている以上にあなたは何にもできないのです。

仕事ができる人は、どんな成功者でも、現状に満足せずに、「もっと…もっと…」と上を目指しています。

次から次へと目標が生まれ、そのための努力の日々となるのです。

自信に満ちあふれることはあっても、自信過剰になっている暇なんてありません。

それに自信過剰だと、周囲を見ていないので、他人から足をすくわれ谷底に落ちてしまいやすいので、仕事に成功しません。

だから、自信過剰の人は、挫折を探してでも、自分のプライドをできるだけ早く叩き壊しましょう。

未熟者のプライド以上に、自分の能力の成長を邪魔するものはない」ことに気付いて下さい。

成功への道のスタートは、自分が「仕事ができない男」であることを素直に思い知ったときです。

あとは、成長あるのみなのですよ!

作成者: kiriko

元社労士の主婦ライターです。 知識と経験を活かしてコラムを書き始めて10年になります。 いつも初心を忘れず、少しでも読者の皆様のお役に立てればと思いながら記事を書いています。 どうぞよろしくお願い申し上げます。