【外資系に就職する方法】英語力は関係ない。あなたが押さえるべき3つのポイントとは?
外資系に就職したい人は、英語力が必須だと思われがちですよね。
確かに英語力は必須ですが、英語力は仕事の能力には関係なく、会話の手段に過ぎません。
ですから、英語は日常会話ができればさして問題ないのです。
外資系企業には、会社の公用語が英語であったとしても、日本で暮らす以上、また、日本企業とセッションするために日本語が話せる外国人が多いのが一般的です。
ですから、外資系企業の人事が採用のときに重視するポイントは英語力ではありません。
そこで今回は、外資系企業の面接で、あなたが押さえるポイントは何かをご紹介しましょう。
Contents
外資に採用されるポイント1|コミュニケーション能力
外資系企業の面接には、コミュニケーション能力を問われます。
(1) 就職理由や志望動機を話すときの注意点
プラス思考の印象を持たれる話し方をしよう
日本企業でも面接のときに必ず質問されますが、外資系企業でも、就職理由や志望動機がまず聞かれます。
しかし、通り一遍に説明するだけでは外資系企業の人事は満足しません。
外資系企業は、メンタル面とコミュニケーション力を非常に重視します。
外資系企業の日本人の印象として、「外国人に比べて主張がなくメンタルが弱い人種」という印象があります。
そのため、面接の際には、外国人に負けないくらい、思っていることをわかりやすく主張できるコミュニケーション能力を問われます。
とくに注意が必要なポイントは、転職理由がマイナス的な印象を与える場合です。
このような場合は、転職理由がプラスの印象を面接官に与えるような言い回しが必要です。
例えば、前職の転職理由がパワハラ問題だったとしても「上司と人間関係が上手くいかなかったので、やりたい仕事ができないから」と正直に答えては面接官にマイナス印象を与えてしまいます。
この理由を正直に伝えつつも、面接官にプラスの印象を与える話し方は、次の通りです。
「私は、将来○○の仕事をしたいと思っています。
でも、前職では、実力主義では無く、年功序列ですから、実力主義の外資系企業に転職を希望しました。
ちょうどそんな時に、貴社の求人を見つけましたので、自分がやりたい仕事そのだと思い、応募させていただきました。」
これだけでは、「自分がやりたい仕事」について、つっこんだ質問がされると思いますので、回答の準備をしておきましょう。
具体的には、志望動機に加えて、将来の展望や、採用されたら○○がしたい等、具体的に、心を込めて自分の熱意を語ることがお勧めです。
採用されない可能性を考えて話すのはナンセンス!?
「採用される前から色々言うのは厚かましい?」なんて遠慮は不要です。
採用されたいから面接を受けているのです。
日本企業でよく聞く「もし採用されたら~」とか「運良く採用されたら~」という奥ゆかしい発言は、マイナスです。
「採用されなかった可能性を考えて面接に来るなんて、ナンセンス!」
これが外資系企業の常識です。
そんなマイナス思考の人材は、会社に利益をもたらさない、と思われるだけでしょう。
外資の人事は、面接の際にあなたの能力だけでなく、コミュニケーション能力も一緒に見ています。
(2)職務経歴は具体的に掘り下げて!
職務経歴については、具体性が求められます。
ただ仕事内容だけでなく、前職での仕事での役割や、目標、その達成度や実績等、前職での働きを具体的に想像できるような細かい解答を求められます。
しかも、その解答から、あなたの人柄や性格が伺えるような内容を、決められた時間で面接官に伝える表現力が必要です。
とくに、外資系企業の求人にマッチするような職務経歴を持っている人材については、より掘り下げて細かい質問をしてきます。
ですから、面接マニュアル本を読んで勉強したような、薄っぺらな内容では不十分です。
自分の言葉で短い時間に端的に、自分を採用したらどんなメリットがあるかを具体的にアピールできるように、面接前にしっかり練習していく必要があります。
外資に採用されるポイント2|一緒に働きたい人材だと感じさせる
(1)EQ(Emotional Intelligence Quotient)の高さ
EQ(Emotional Intelligence Quotient)とは、対人関係のコミュニケーション能力を測る、いわば「心の知能指数」ともいわれています。
筆記試験の時に、適性検査のような形でテストをされる場合もあります。
これは日本の企業でも、行われることがあります。
外資系企業の面接とは、面接官との対話の際に、EQ検査がされているようなものだと思って臨むことをお勧めします。
そこで、外資系企業の面接の前の練習には、次の5つの点をしっかりとアピールできるように準備しておきましょう。
- 長所や短所、自分の得意分野や弱点等、自分を分っている
- 感情のコントロールができる
- 相手の気持ちを尊重した対話ができる
- 相手の気持ちに共感した会話のキャッチボールができる
- TPOに応じた会話ができる
アピール力や主張力とともに、相手の話を聞く力(理解力・共感力)、苦手な相手とも上手く付き合うことができるか、あなたの人柄や表情まで面接官は見ています。
外国人は、身振り手振りで日本人から見たら、オーバーアクションに思えるようなパフォーマンスも普通です。
ですから、少しオーバーアクションだと思うくらいの話し方くらいが、ちょうど良いのです。
自分の表現力が試されているのだと思って、積極的に話しましょう。
ただし、決められた短い時間で、わかりやすい話し方ができないと、あまり聞いて貰えない可能性があります。
(2)心の知能指数が高い話し方は、パラグラフ・ライティングで!
外国語の多くは、主語の後に述語です。
日本のように、起承転結で、最後まで話を聞かないと内容が分らない話し方は、あまり評価されないのが一般的です。
ですから、履歴書の志望動機や職務経歴書の書き方も、起承転結の文章ではなく、外国人が好むパラグラフ(段落)・ライティングで書くことをお勧めします。
序論→本論→結論の3部構成の文章です。
- 序論:言いたいことや主張の内容が分ること
- 本論:序論で書かれた内容の根拠が、主題から根拠へと展開する
- 結論:本論で述べられた根拠から導かれる結論を序論の内容に添ってまとめられる
例えば自分の長所・短所についての場合
<序論>
私の長所は、明るい性格で物事をポジティブに考えられることです。
また、好奇心旺盛で、これは長所と短所を兼ね備えているのですが、興味が強すぎた場合、のめり込んでしまって、時間を忘れてしまう所が短所とも言えます。
<本論>
長所と短所の具体例を展開します。
- 明るい性格で、物事をプラスに考える具体例
- 好奇心旺盛で、熱中しすぎて○○になってしまった失敗例
<結論>
- 「長所は伸ばしていきたい」というような内容を、まず主張します。
- 短所については、今後の改善によって短所を長所にしていく方法を展開します。
また、上記のように具体例を踏まえながら、ユーモアを交えて話すあなたの様子を見て、面接官は、あなたの性格を明るく楽しい性格だと感じるでしょう。
心の知能指数が高い話し方ができたら?
こうして、「一緒に働きたい」と思って貰えれば、あなたは好印象間違いなしです。
そのためにも、パラグラフ・ライティングの話し方が必須なのです。
いくら話しても、相手に具体的にイメージして貰えなければ、黙っている以上にマイナス評価となります。
序論・本論・結論の三部構成の話し方は、日本人には日常的でないので、前もって自分の言葉で作文して、鏡の前で表情を交えて話す練習をしておきましょう。
無表情でぶっきらぼうに話すのは、日本人としては、寡黙で真面目な性格と好印象でも、外資系企業では、「気持ちを共有できない」というマイナス評価に繋がり兼ねません。
外資に採用されるポイント3|即戦力のための専門性重視
(1)外資系企業は何といっても実力主義!
外資系企業は、日本企業よりも実力主義です。
若くても実力があれば採用されます。
ですから、自分の実力の専門性を如何にアピールできるかが勝負です。
履歴書や職務経歴書で、既に書類審査に通過しているのですから、後は如何に自分の専門性や能力をアピールできるかが勝負です。
具体的に、自分が採用されたら、どんなふうに企業に貢献できるかをアピールできるよう、一度作文してスピーチ練習しておきましょう。
ただし、面接官が即戦力になるように感じたら、突っ込んだ質問をされることがあります。
このチャンスを逃さないためにも、どのような質問にも対応できるようにしておきましょう。
そのためには、パラグラフ・ライティングの三段構成(序・本・結)で作文し、上手にアピールできるように練習しておくことをお勧めします。
(2)外資系企業の会話の風潮は日本企業とはこんなに違う!?
例えば、外資の場合、メールの文章が“Dear Taro”といった感じで役職名称をつけずに名前できます。
「誰?」と思うこともあるかもしれません。
また、日本でよく使う「ご確認下さい」とか「ご検討下さい」では、返事がこないこともあるのです。
外国人からすると、「確認したよ。それで?」「検討したよ。それで?」といった感じで、意味不明なメールをもらったという印象なのです。
「確認したら(検討したら)、○日までに返事を下さい」と書いておかないと、返信は来ません。
結論まで主張しないと相手は自発的には動いてくれない文化なのです。
また、外資系企業に入社したある日本人のこんな話を聞いたことがあります。
新米だから出しゃばってはいけないと思いつつも、外資系企業の文化や風習にいち早く慣れようと、会議中も一生懸命メモを取って、真面目に会議に参加していた日本人社員がいました。
すると、ある日のこと、イギリス人の上司から、「君は明日から会議に参加しなくても良い」と言われたそうです。
彼は、びっくりして上司に理由を尋ねると、「いつもメモばかり取って、何も発言しないので、居ても意味がない」と言われてしまったそうです。
日本企業ではあり得ないことですが、外資系企業では、たとえ若い新入社員でも、「メリットがない会議だ」と判断すれば、会議に出ない権利もあるくらいです。
ですから、日本人の奥ゆかしさは、外資系企業では裏目にしか出ません。
でも、外国人は日本人のこんな特徴も知っていますし、その奥ゆかしさを美しいと思ってくれている外国人も多いのです。
しかし、外資系企業では「日本人の奥ゆかしさ」をビジネスの現場では求めていません。
そこで、外資系企業の面接官は、日本人を採用するときに、日本企業と外資系企業の文化の違いにも柔軟に対応し、仲間と一緒に建設的な仕事ができると感じられる人材を求めています。
ですから、外資系企業に就職したいなら、面接のときから、相手に何を要求しているか、はっきりと分る話し方をできるように心がけることをお勧めします。
やりたい仕事については貪欲に話すくらいがちょうど良いのです。
遠慮がちな歯に衣を着せた話し方では、面接官に自分が話したい内容が伝わらず、「何を言いたいのか分らない人」と一途横領団に切り捨てられてしまいます。
まとめ
いかがでしたか?
外資系企業は能力重視ですが、何より建設的なコミュニケーション能力が、会社に利益を与えると考えられています。
いわば、個々の能力の相乗効果(チームワーク)が会社の利益になるという考え方です。
そのためには、日常会話レベルの英語力も必須となるでしょう。
でも、英語力は仕事の能力ではなく、コミュニケーションの手段に過ぎません。
外資系企業に転職して即戦力になれる人材であることをアピールするためにも、表情豊かな話し方、パラグラフ・ライティング、そして日常的な話し方改革から始めてみましょう。
そして、あなたが「即戦力として如何に会社に利益をもたらす人材であるか」を面接官にアピールするために、外国の表現方法に馴染む努力が必要です。
相手に分ってもらいたい方が、相手に自分の気持ちに共有してもらうために、自分の表現方法を曲げるわけですが、何も、日本人のプライドを捨てるわけではありません。
ただ、あなたが外資系企業に就職したいと願うわけですから、外資の習慣に寄り添うのがマナーというものです。
そして、相手に自分の気持ちを分ってもらいたいなら、相手の気持ちを考えて相手の心にちょっとだけ寄りそうことができるかどうかということです。
外資系企業の面接の際は、外資系企業の面接官が「相手」となります。
これが「心の知能指数」が高いということです。
相手への共感というか、思いやりともいえるのかもしれません。
ですから、日本人としての奥ゆかしさを捨てるという意味ではないのです。
日本人的に言うと「郷に入れば郷に従え」ということで、周囲の環境に柔軟に適応していくだけのことです。
ただし、あなた自身の心の在り方はそのままに、日本人らしさともいえる「奥ゆかしさ」は忘れないでくださいね。