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仕事が面白いかどうかは3年続けてからでないとわからない&その理由は?

 2018/03/20 ビジネス・起業・仕事術
この記事は約 13 分で読めます。 1,313 Views

「5月病」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

会社に入社して、1ヶ月経った頃に、いきなりやって来るゴールデンウィーク。

昨今は、長期休暇となる企業も多く、会社に入社してからの緊張がいきなり緩んで、元の緊張感に戻りたくなくなってしまう、魔のゴールデンウィークだから、5月病です。

実際に新入社員が入社半年未満で辞めてしまう場合、5月から「辞めたい」危ない心境になって、決心に至るまで時間がかかり、「賞与(寸志)をもらって辞めよう」となることが多いのです。

でも、早々に辞めてしまって後悔する人の方が多いのはご存じですか?

実は、仕事が面白いか面白くないか、自分に合っているか合っていないかは、入社1年足らずで分かるわけはないのです。

そこで今回は、仕事が面白いか面白くないかを決める期限とその理由について徹底解説します。

 

Contents

1.仕事1年目はまだ面白いかどうかの判断の時期ではない?

(1)仕事はドラマの視聴率と同じ?

読書・映画・ドラマを見ていて感じたことがある人も多いと思いますが、初めは「つまらないな」とか「くだらない内容」とか思っていても、話が進むにつれて夢中になってしまう場合もありますよね。

それが如実に現れるのが、朝の連ドラや月9ドラマの視聴率です。

初回の視聴率が低いと、メディアで騒がれます。

でも、数回見ている内に引き込まれて、視聴率が20%、30%越えなんて事になることもあります。

これは、毎回の視聴率を見て、プロデューサーやスタッフが、さまざまな視聴率の上がる努力をしているからです。

ドラマのスタッフは、そのドラマの面白さを信じて、全力で戦っているのです。

時に脚本の変更だってあり得ます。

その努力の結果、視聴率アップとなるのです。

仕事も同じようなものです。

(2)仕事の全貌が見えるまで1年はかかる?

初めは、会社に慣れてもらう事から始めますので、新入社員には会社のルールや初歩的な雑用から指導が始まります。

新卒の新入社員の場合は、社会人ルーキーということで、社会人の常識からじっくりと始めてくれるかもしれません。

しかし、中途採用の新入社員の場合は即戦力を求められていますので、簡単な会社のルールを1週間程度でざっと説明して、後はフォローしてくれる社員はいますが、前職の経験から過大な期待をされていることもあります。

会社のルールは会社によってそれぞれです。

おおざっぱな業界の常識は同じでも、その細かさや手順は全く異なることもあるのです。

しかし、その会社の社員達は、自分たちの会社のルールが「普通」と信じています。

同じ業務でも、やり方や使っているソフトや機械が違っていたりしますが、基本は同じようなものなので、順応力と記憶力やコミュニケーション力といった「人力」でそれを補い、その会社のルールに馴染んでいくのです。

しかし、中途採用者には、前職の経験やプライドが、素直になることを邪魔することがあります。

「郷に入っては郷に従え」と割り切って、その現場に慣れていくものなのです。

自分のやりたいようにやるには、自分がその会社に馴染んで、即戦力として独りで何でもできるようになってからのことです。

しかし、多くの場合、その前に「仕事がやりにくい」「仕事が面白くない」等のさまざまな不満が出てきます。

このやりにくさは、理解していないとか、手順の違いから起ってくることが多いのです。

そこをきちんと理解する前に、一旦「会社の体質」と決め込んでマイナス評価をしてしまったらあとは全てがマイナス思考になってしまいます。

こんなふうに「マイナスの会社の体質」という色眼鏡をかけて見てしまっては、どんどん不平不満の蟻地獄状態となるばかりです。

そこをグッと堪えて、その会社に慣れていくのに、だいたい1年ほどかかるのです。

会社の仕事のやり方や会社の体質を批判するのは、その後でないと、正確な見解が出せません。

ドラマの初回、2回目で、見切りをつけて見るのを止めてしまったようなものです。

でも、そのドラマの最終回の視聴率が20%越えだったりして、見なかったことを後悔しても後の祭りです。

 

2.仕事が一人前になるのは2年目から?

(1)一人前が2年目からなのは何故?

前項で、中途採用の場合は会社に完全になれるのに1年はかかります。

表面的に仕事がだいたいできるようになるのは、早くて3ヶ月~半年だという人もいるでしょう。

確かに、順応力が高く、頭の回転も良く、コミュニケーション力にも長けていて、わからないことや疑問に思ったことをどんどん聞いていくことができる人の場合は、あっという間に自分流に仕事を身につけていきます。

これは、ひとつの才能です。

3ヶ月や半年もすれば、教えられたことはだいたいできるようになります。

しかし、それを自分流に身につけてさらなる応用力を身につけ、より高度なことができるようになるのには、もう半年はかかるので、完全に即戦力として一人前になったといえるのは2年目からなのです。

これは早い人の場合です。

一般的に、新入社員ならともかく、30代~40代の社会人10年以上経ったベテランが、プライドをかなぐり捨てて、自分よりも若い指導社員に、「これは?」「あれは?」と聞くのは、なかなかできるものではありません。

「こうしたらどうなるの?」と思ったとしても、勝手なことをして、不具合が生じたらどうしよう、といった不安から、言われたこと以上先へと進めないからです。

ですから、完全に会社のことを把握して自分のものにしてしまうまで、冒険したり、思いつきやアイデアで勝手に動いたりする勇気が無いからです。

それが、コミュニケーション応力の高い人の場合、「これやってみて良い?」とどんどん先へと進んでいきます。

これができる人とできない人の間には、大きな差が生じるのです。

(2)コミュニケーション力が低い場合どうなる?

人の言葉は、心の翻訳機にかけて発しています。

ですから、同じ言葉でも微妙に言い回しや意味が異なったりすることもあります。

常識だからと説明不足になり、不親切だととられてしまったりします。

反対に、失礼がないようにと丁寧に接した結果、丁寧すぎて慇懃無礼のような感じにとられてしまうこともあります。

だから、年上の中途採用の社員をフォローする担当になった若い社員は、以下のようなことを心配します。

  1. 「どこから説明していいかわからないので、わかっていたら言って下さいね。」と親切心から取り敢えず丁寧に細かく説明する
  2. 「わからなかったら聞いて下さいね」と説明しすぎは失礼だと思って詳しい説明を控える

その結果、中途採用の社員は次のように思います。

1の場合→
「そのくらいわかるけど、新卒じゃないんだからいい加減にしてくれ。 でも、せっかく説明してくれているのに『そこはわかります』と言うのも…イライラするなぁ」

2の場合→
わからなくてもプライドが邪魔して聞く事もできず、指導者を「説明が下手くそ」だとか、意地悪だとか、悪く思ってしまう。
わかっていないからミスがかさなる。
そんな時に「わからなかったら聞いて下さい」と言われると、プライドがどんどん傷つく。
「聞けない雰囲気を醸し出しているのはおまえだ!」

これは、コミュニケーションが上手くいっていないから生じる人間関係のトラブルですが、この環境が、仕事を面白くないと思わせ、不平不満を蓄積させていきます。

そして、ついには「この会社は自分には合わない」とか「自分のキャリアが活かせない」と中途採用後1年足らずで退職してしまうケースもあるのです。

中途採用の人は、フォローしてくれる担当者の能力やコミュニケーション力や人柄によって、即戦力となるまでの時間が左右されます。

しかし、即戦力になるのが遅ければ、中途採用者の能力不足ととらえられるのが悲しいところです。

酷い場合は、「今度の中途採用の人、仕事が遅いしミス多いし、難しー」と陰口をたたかれることもあります。

だから、この中途採用後のフォロー担当者との人間関係を克服して、一人前になっていくのが2年目からです。

 

3.2年目から1年間は仕事力の観察期間?

(1)即戦力だけど役職なしで採用された場合

さあ、やりづらくても何でも1年間何とか辛抱して、1人で仕事を任されるようになった2年目。

「実力に見合った仕事をさせて欲しい」と張り切っているのに、まだまだ満足する仕事をさせて貰えない場合もあります。

ここからは、自分で自分の力を上司にアピールしなければなりません。

能力を査定する上司達は、あなたの人柄や仕事力をまだよく知らないのです。

無難な仕事から任せていきます。

それが、中途採用者の満足する仕事ではないかもしれません。

それでも短期にならずに辛抱が必要です。

責任ある部署をいきなり任せるようなことは、日本の企業はなかなかしません。

即戦力として雇ったからには、独りでどんどん仕事をさせてくれるかもしれませんが、管理者側の仕事はまだまだです。

30代後半から40代以上なら、何らかの役職が欲しいところです。

だから、2年目はその役職までの観察期間なのです。

そこを、地道に辛抱して、実力をアピールできてこそ、能力に見合った正当な評価を受けることができます。

(2)役職付の即戦力として採用された場合

役職付で採用された場合は、本当に即戦力が期待されています。

その分、成果を出さなければならないのですが、役職付なのに、初めのうちは平社員同様の扱いだったりします。

飾りばかりの役職ほど悲しいものはありません。

そこそこ責任があり、慣れるまでは当たり障りのない事務仕事か平社員同様の仕事だったりします。

こちらの方が、プライドが傷つくことがたくさんあるでしょう。

でも、腐っても管理職です。

さまざまな書類に目を通し、部下に采配を振るおうとしても、会社のやり方が前職のやり方と異なる場合は、部下が戸惑ったり、言うことを聞いてくれなかったりする事も多いでしょう。

そこをグッと堪えて、会社のやり方に慣れていきながら自分の仕事をこなしていく必要があります。

ここでも、コミュニケーション力で、周囲の部下からさまざまなことを教えてもらう事がスムーズにできるか否かで、中途採用の管理職の労働環境は大きく変わります。

周囲の評価も異なってきます。

このような環境で、思うとおりにいかないイライラ感を乗り越えて、どうにかこうにか慣れていって、ようやくスタートラインに立つのが2年目からなのです。

役職の中途採用の場合は、部下との人間関係が仕事を大きく左右します。

 

4.3年目からが中途採用者の勝負のとき?

(1)「中途採用者」であることを忘れてしまう時期?

中途採用されて2年かけて、自分の居心地の良い居場所を手に入れ、自分なりに仕事ができるようになります。

会社にも慣れ、周囲とのコミュニケーションも上手くいき、中途採用者であるのを誰もが忘れてしまうくらい会社に馴染んでくるでしょう。

取引業者の新しい担当者は、ベテラン社員だと思ってしまうくらいです。

自分の居心地の良い場所での働き方は、本来の仕事力が思う存分発揮できます。

3年目にもなると、仕事に見合った部署に配置されて、周囲からも正しい評価を受け始めます。

仕事が面白いかどうかを正しい目で客観的に判断できるのはここからです。

(2)仕事の評価が現れ始めるとき?

仕事の評価が会社の内外からちらほらと聞こえてくる頃です。

その仕事の評価が、自分の満足のいくものなのか、あるいはそうでないのか?

また、仕事の評価に比例して、仕事へのモチベーションが上がっていくのかどうかによって、自分の仕事が楽しいかどうかの気持ちも変わってきます。

この頃の仕事への気持ちが、正しい客観的な判断ともいえます。

  • 自分に合っている仕事なのか?
  • やりがいのある仕事なのか?
  • 仕事に生きがいを感じるのか?

自分に問いかけてみましょう。

そのときにどうしても「仕事が面白くない」と思うなら、それは、中途採用になった会社での客観的な正しい判断かもしれません。

でも、面白い仕事へ異動できるチャンスも、多少不満のある場所で頑張っていたら生まれるかもしれません。

その礎を築くのは、辛抱一筋です。

目の前の仕事にどう挑んでいくかにかかっています。

自分のスキルについても見つめ直してみる機会かもしれません。

 

5.3年経ってからそれでも仕事が面白くない場合は?

(1)仕事が面白くない理由を考えてみよう

あなたの実力に見合っていない会社なのか、人間関係が上手くいかないのか、過度な期待をされて自分のキャパを超えて苦しいのか、さまざまな思いがあるかもしれません。

しかし、もし退職を考えるなら、やり直しがきくのは30代の内です。

一方、40代の転職は難しいので、何とかその会社で自分なりの居場所を見つける努力をした方が賢明です。

ブラック企業の場合は、3年待つまでもなく、いち早く身を守るために転職するのをお勧めしますが、そうでない場合はどこに行っても同じです。

40代以上の場合、年齢を重ねるほど、異なった環境に順応するのが、だんだん難しくなっていきます。

ただし、心の病になるほどストレスが大きい場合は例外です。

もしストレスの発散に励んで我慢できそうなら、3年も辛抱したのですから、転職するよりも今の会社で居心地を良くする努力をした方が賢明です。

(2)転職を考えるべきか否か?

先にも言いましたが、人生のチャレンジは40歳になる前までです。

遅くとも40歳前半前までには、既に人生の基盤を作っておくべきだからです。

扶養家族のいない独身者なら転職や人生のやり直しは何歳になっても自己責任であり、自分の自由意思です。

でも、家族を養っていく環境にある人は、そうは行きません。

今と同程度かそれ以上の労働条件の転職を望むのは難しいでしょう。

40代の転職は、よほどのヘッドハンティングでもない限り、一般的に転職回数が多いほど年収が下がっていきます。

1日の睡眠時間を6時間程度として、通勤に1時間ほどかけていたとしたら、16時間の内半分以上の時間を仕事に費やしていることになります。

だったら、面白い仕事をしている人と、面白くない仕事をしている人では、幸福感や充実感に雲泥の差があり、老化の速度にも大きく影響します。

「男の顔は仕事がつくる」ともいわれています。

それは、仕事が面白く充実している人は、子供のように目がキラキラ輝いているからです。

一方、仕事が面白くないのに、家族のために何となくがんばっている人は、年齢よりもずっと老け込んでしまいます。

ですから、仕事を楽しくできるように、自分の居場所を作るために、努力をしてみましょう。

仕事が面白くないなら、面白くなるように50歳まであがいてみましょう。

そのあがきが、男の風格や人間味を磨き、年輪のように「いい顔」をつくっていくのです。

それでも、どうしても面白くないなら、子供たちが巣立った後、55歳以上で早期退職をして、第2の人生をenjoyするのもありだと思いますよ。

 

まとめ

筆者は、特定社労士として長年培った経験から、転職市場の40代後半の需要は少ないといえます。

ですから、「転職したいなら30代の内に!」です。

でも、転職回数が多い履歴書ほど、転職市場ではその価値を下げます

しかも3年未満の離職率が高い履歴書は、職歴を考えたときに、年齢の割に経験年数が短いということで、一層不利になります。

「石の上にも3年」という諺があるように、3年目でないと、仕事の面白いか面白くないかの客観的判断もできないまま、仕事を点々としている辛抱のきかない人に、会社は何も期待しないことを覚えて起きましょう。

石の上にしがみついてでも、自分の居場所をつくるために戦える精神力とコミュニケーション力は、仕事力を上回る人力ともいえるでしょう。

人力の高い人は、どんな場所でも自分の居場所を作り、快適な環境にしてしまうことができます。

そういう人は、仕事を自分の力で面白くすることもできます。

だから、「仕事が面白い・面白くない」を語るには、自分の居場所を築いてからにしましょう。

3年は、自分の居場所を快適な場所にするのに必要な時間なのです。

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kiriko

kiriko

元社労士の主婦ライターです。
知識と経験を活かしてコラムを書き始めて10年になります。

いつも初心を忘れず、少しでも読者の皆様のお役に立てればと思いながら記事を書いています。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

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