ランニングvsウォーキング、男のダイエットに効果的なのはどっち!?
今年の第一生命のサラリーマン川柳コンクールで1位に輝いたのは「スポーツジム車で行ってチャリをこぐ」でした。
なんだか的を得たおかしな川柳ですね。
スポーツジムでよくあるダイエットマシンの自転車こぎに励む男性の川柳ですが、同じ有酸素運動のランニング・ウォーキングマシンもありますよね。
こんなおかしな矛盾生活を送りながらも、ダイエットに励む男性のために、今回はランニングとウォーキングのどちらが効果的なのかを解説します。
Contents
1.「ランニング」と「ウォーキング」の違い
(1)「走る」と「歩く」の違い
「走る」と「歩く」の一番大きな違いは下記の点です。
- 走る:両足浮いている瞬間がある
- 歩く:どちらか片足が地面に着いている
「走る」ときは宙に浮いたときの身体を支える筋肉も必要なので、ウェストから膝までの全ての筋肉を使います。
それに対し、「歩く」時はどちらかの足が地面について身体を支えているので、腹筋を除いたウェストから膝までの筋肉を使います。
使う筋肉が明らかに多い「走る」ときの方が消費カロリーが高いですね。
そもそもポッコリお腹に効果的な腹筋を使う運動は「走る」方だといえます。
(2) 「走る」vs「歩く」では消費カロリーの高い効果的な運動法はどっち?
「走る」vs「走る」、「歩く」vs「歩く」等、同じ運動の仕方で移動した場合は、スピードに関係なく、消費カロリーは距離に比例します。
このとき、スピードの速さは消費カロリーにそんなに影響はないようです。
参考までに、消費カロリーと距離と時間の目安は以下の通りです。
- 距離単位の消費カロリー(kcal/km):消費カロリー=ウォーキング<ジョギング=ランニング
- 時間単位の消費カロリー(kcal/mit):消費カロリー=ウォーキング<ジョギング<ランニング
しかし、「走る」vs「歩く」の場合、同じ距離なら、消費カロリーは筋肉使用量の多い「走る」方が消費カロリーは大きいのです。
走った方が歩くよりも消費カロリーが高いのなら、ダイエットにはランニングが断然お勧めのように思われます。
ところが、普段運動しない人がいきなりランニングを始めたら、膝を痛めて運動どころでは無くなってしまうこともあります。
そこで、ウォーキングで身体を慣らして徐々にジョギング、ランニングへとシフトしていくのがお勧めなのです。
ジョギングとランニングでは、ランニングができる身体なら、ランニングの方が消費カロリーが高いのですが、これはジョギングよりもランニングの方が同じ時間で長い距離走れるので、ただ単に時間的短縮だからです。
ですから、時間的余裕があるなら、ランニングは着地の時にブレーキ的な瞬発力の負荷が膝にかかりますので、ジョギングの方が膝に衝撃が少ないのでお勧めです。
でも、普段から運動に不慣れな生活を送っている人には、ジョギングでも膝に負担はかかります。
そこで、ウォーキングよりも消費カロリーの高いジョギングを無理なく行える運動法を紹介します。
福岡大学の走る医学博士田中宏暁先生の推奨するスロージョギングです。
スロージョギングの消費カロリーは、同じ距離を歩くウォーキングに比べると約2倍になるのだそうですよ。
(参考:健康力を上げるスロ-ジョギング DVDで簡単レッスン! /カンゼン/田中宏暁)
2.スロージョギングとは?
(1)スロージョギングがダイエットにお勧めな理由
スロージョギングは、その名の通り歩くようなゆっくりペースで走るジョギングです。
ちなみにランニングとジョギングの違いは、スピードです。
1kmを5分以内で走るのがランニング、5分以上かけて走るのがジョギングといいます。
しかし、(前項でも書きましたが)ランニングはスピードが速いほど、着地したときに膝に大きな衝撃がかかりますので、ダイエットの有酸素運動はウォーキングが推奨されているのです。
しかし、より大きな消費カロリーの運動をして、いち早くダイエット効果を得たいというのが多いので、ウォーキングよりもジョギングをしたいものです。
そこで田中先生のスロージョギングをお勧めします。
スロージョギングは、ウォーキングよりもたくさんのきんいくを使う「走る」行為です。
歩くスピードとはいえ、けっこう息づかいも荒くなって疲れます。
初めのうちは息が上がって疲れたら、息使いが収まるまでウォーキングに切り替え、息が落ち着いたらスロージョギングを再開しましょう。
こんなふうに、スロージョギングは、無理なく大量の汗をかくこともないので、通勤の途中や外回りの最中でも可能です。
(2)スロージョギングのやり方
前を向いて姿勢良く小股で走るのがスロージョギングです。
歩幅の大きさは、脚のサイズの半分程度の超小走りです。
小走りの歩幅の目安は「片方の足のつま先」と「もう片方の足の土踏まず」が並ぶ程度の小股で、小さく前進する走り方です。
走るときは、姿勢良く気持ち前傾で、肘を直角に曲げて脇を締めて大きくふって走ります。
肘を後ろに大きく押し上げ、膝をできるだけ上げると、腕の筋肉も使うので、一層消費カロリーが上がります。
小股で走るので、指先を外側に向けて脚の指から押しつけて着地するように走ると、両膝がくっつかない安定した走りになります。
筆者独自のやり方ですが、大山式足指パットを装着して小股(脚サイズの半分)で走ると、身体が自然に正しいスロージョギングフォームを形成してくれます。
ついでに、骨盤の歪みも矯正され、姿勢の悪さから来る首や肩のコリも解消されます。
下記記事では、姿勢良く歩いて美しくやせるお助けマンとして「BODY MAKE PAD Daily」紹介してますので、そちらもご参照くださいね。
「一番痩せる方法って結局なに?数あるダイエット法の中から、根本的な『痩せ体質』を作る方法を徹底紹介」
大山式指パットには、Dailyタイプよりも筋力を1.5倍使う「BODY MAKE PAD Sports」もありますが、スロージョギングですから、Dailyタイプがおすすめでしょう。
正しい姿勢での運動は、体重を上手に分散させますので、膝にかかる負担も少なく、効率よくエクササイズができるという利点もあります。
ただし、足指パットを使って、指が痛くなったりしたときは、指を休ませてあげてください。
また、新しい靴を履くと靴擦れをするように、足指パットを装着した指の皮が擦れて靴擦れならぬ「指パット擦れ」状態になることもありますので、使用上の注意をよく読んで正しい使用方法で装着して下さいね。
3.男のダイエットはただやせれば良いというものではない!?
(1)痩せたまま筋力を上手につけるには?~遅筋と速筋について知ろう~
筋肉には遅筋と速筋と2種類あって、その割合は一般的に半々です。
「遅筋」と「速筋」という言葉を初めて聞いた方のために、まず簡単に解説します。
遅筋とは、持続力を発揮する筋肉です。
速筋とは、瞬発力や急ブレーキ、重たいものを持つ時の「ヨイショ」と気合いを入れて力を出す時に使う筋肉が速筋です。
ジャンプの着地や、走っていてぶつかりそうになって急に止る時に身体を支える力も速筋です。
普段使うエンジン的な筋肉が遅筋で、気合いを入れて一気にパワーを出すときが速筋ですから、ある程度精神を集中させる必要もあります。
火事場の馬鹿力も速筋が使われます。
しかし、通常は遅筋で助走をつけて速筋が使われるのに、火事場の馬鹿力として速筋がいきなり使われると、ゆっくりと筋肉が収縮すべきところを急激に筋肉が収縮しますので、筋肉に炎症を起こしやすくなります。
だから、火事場の馬鹿力の後は筋肉疲労が激しいのです。
余談ですが、遅筋は毛細血管が張り巡らされているので赤色の筋肉に見えるので「赤金」、毛細血管の少ない白っぽい筋肉が速筋で「白筋」と呼ばれています。
筋肉は鍛えると増えるのですが、遅筋と速筋は鍛え方にも違いがあります。
- 遅筋:持久力を養う有酸素運動で鍛える。
- 速筋:ウェイトトレイニングや短距離走等の瞬発的な力を出す運動で鍛える。
ただし、遅筋・速筋各々を鍛えようとしても、思い通りになら無いこともあります。
例えば、ウェイトトレイニングでも、1分間に12回以上繰り返すことができる比較的軽いウェイトトレイニングは、息を止めて気合いを入れる必要は無いので、白金を鍛えるつもりで遅筋を鍛えてしまうこともあります。
速筋のウェイトトレーニングは、1分間に12回未満しかできない程度の負荷が必要であり、その目安はウェイトをかけている間は息が止っているような感じです。
一方、ジョギングで有酸素運動をしているつもりで、どんどんスピードを上げて、もはや有酸素運動では無く、気付いたら速筋を鍛えていたなんていうこともあります。
呼吸がしっかりできていることが、有酸素運動の特徴です。
(2)女性にモテる細マッチョを目指すなら、まずは遅筋を増やせ!
遅筋も速筋も鍛えることで量が増えます。
シュワルツネッカーのような筋肉ムキムキな人は、筋肉繊維が太い速筋だらけなので、若いときは筋肉ムキムキで首も胸も腕も脚も見るからに太く、力持ちでたくましい感じがします。
しかし、速筋は遅筋によりも加齢による衰えが激しいので、よほど筋力トレーニングを続けていないと、「あの筋肉が贅肉に!?」とすごい状態になってしまいます。
一方、マラソン選手は全身持久力体型ですから遅筋が全身の8割にも及ぶのだそうですが、遅筋はもともとの筋肉繊維が細いので、腹筋は美しく割れていても比較的細い人が多いです。
しかし、遅筋は目立たないので、ガリガリのイメージが強くなりがちです。
どちらも極端過ぎますね。
筆者緒個人的見解ですが、女性は「ほっそりスマートだけど、脱いだらすごい!」という細マッチョが好きな人が比較的多いと思っています。
筋肉質でも細い人は、一般的に遅筋が多いのだと思いますが、遅筋だけでは、いざというときの力不足のような気がします。
これも筆者の独断と偏見ですが、失礼ながらマラソン選手の力持ちは少ないような気がします。
細いけど、いざというときは力持ちだったり、喧嘩に強かったり、そんな男性に女性はウットリしてしまいます。
そこで適度な筋肉をつけるには、遅筋多めの細身の身体をつくりつつも適度に速筋をつける、自分に合ったトレーニングが必要です。
<例>
- スポーツジムで30分自転車をこいだ後に、最後にウェイトトレーニングを5分だけ行う。
- 毎日有酸素運動を継続して痩せると同時に適度な筋肉をつけ、週に2度ほど本格的なウェイトトレーンイングを行う。・・・・・・etc.
でも、遅筋だらけで見た目ガリガリでも、基礎代謝には十分ですから、痩せた異質の健康美が得られます。
健康美は、健康的な身体がつくり出す、あなたの身体が最も効率良く動ける身体です。
ウェイトトレーニングで得られる「筋肉美」というものは、本来生きるためには不必要な筋肉ですから、健康美を手に入れてからトレーニングを始めるのがお勧めです。
あなたの健康美の目安は、体脂肪率でわかります。
あなたの体脂肪率が、年齢的な体脂肪率の標準値の真ん中以下辺りになったら、あなたはほぼ健康美です。
まとめ
いかがでしたか?
ランニングもウォーキングも有酸素運動ですから、ウォーキングやランニングだけで、マッチョな身体にはなりません。
でも、まずは、ある程度痩せて引き締まった身体をつくらないと、ウェイトトレーニングに絶えられません。
そこで、あなた独自の健康美の範疇の体重を目標に、有酸素運動で筋肉をつけていく必要があります。
そのために、歩くよりも走った方が使う筋肉量が多く、腹筋も使うので、お腹の引き締めに効果的です。
消費カロリーだけを見ると、ウォーキングよりランニングがダイエットには効果的な感じがします。
でも、あなたの膝のことを考えると、あなたが運動に不慣れな場合は、スロージョギングから始めるのがお勧めでしたね。
そして、徐々に普通のジョギング、そしてランニングへとシフトしていきましょう。
しかし、有酸素運動であるウォーキングやランニングでは、カロリーを消費させてとにかく痩せ体質に持っていくことしかできません。
その過程で遅筋が増えて、遅筋があなたの身体を引きしめてくれます。
しかし、細マッチョに必要な速筋は、しっかりと遅筋が整った身体でないと、ウェイトをかけただけで怪我をしてしまいます。
細マッチョになる筋トレ(無酸素運動)に絶えられる「しっかりと遅筋が整った身体」とは、30分の本格ランニングをやっても心地よい疲れを感じるような身体です。
そんな身体になっている頃には、あなたにダイエットは必要ないでしょう。
そもそも、初めからランニングができる人は、日頃から運動して膝周りが筋肉で守られているのですから、ダイエットとは無縁かもしれません。
つまり、今、ダイエットに迫られている人にとっては、ランニングよりも、むしろウォーキングやスロージョギングが必須なのです。
筋肉美については、ダイエットに成功して身体が整った後に、改めて考えましょう。